Zerosend/Guide2026-04

Pillar Article

オンラインツール、アップロードして大丈夫?プライバシーを守るブラウザ内処理という選択肢

一般的なオンラインツールがファイルをサーバーに送信する仕組みと、ブラウザ内で完結する処理の見分け方を、開発者ツールを使った検証手順つきで解説します。

この記事でわかること

  • 一般的なオンラインツールがファイルをサーバーに送信している仕組み
  • サーバー送信型ツールのプライバシーリスク
  • ブラウザ内完結型ツールの仕組みと見分け方
  • Zerosend が採用している「Zero send」設計
  • 実際にアップロードされていないことを自分で確認する方法

サーバーにアップロードされていることに、気づいていますか

画像を圧縮したい、PDF を結合したい、HEIC 形式の写真を JPG に変換したい。そんなとき多くの人は「○○ 圧縮 オンライン」「PDF 結合 無料」と検索して、出てきた海外の大手サイトにファイルをドラッグ&ドロップします。

ほんの数秒で処理が終わり、ダウンロードボタンが表示される。便利で、無料で、インストール不要。素晴らしい体験です。

ただ、その数秒の間に、あなたのファイルはあなたのコンピュータから旅立っていたことをご存じでしょうか。

大半のオンラインツールは、ファイルを一度サーバーにアップロードし、サーバー側で処理した結果をあなたのブラウザに返しています。この仕組みは一般的には問題になりません。しかし、扱うファイルの性質によっては、これが大きなリスクになります。

たとえば次のようなケースです。

  • 社内の契約書 PDF を結合したい会社員
  • 取材で撮影した人物写真を圧縮したいライター
  • クライアントから預かったロゴの PNG を WebP 変換したいデザイナー
  • 位置情報付きの iPhone 写真を家族以外に送る前にサイズを小さくしたい一般ユーザー

これらのファイルが、見知らぬ国の見知らぬサーバーに、ほんの一瞬でも保管される。しかもその多くは、どこに保存されて、いつ削除されて、バックアップが何日残るのかが明示されていません。

本記事では、なぜ「オンラインツール」は基本的にファイルをサーバーに送るのか、その仕組みを解説したうえで、ファイルをサーバーに送らずに処理するという、もう一つの選択肢について詳しく紹介します。


オンラインツールがファイルをサーバーに送る理由

オンラインツールの多くは、2000 年代から 2010 年代にかけて登場しました。この時代、ブラウザは単純な表示装置で、複雑な画像処理や動画変換を行うパワーはありませんでした。

そのため、こうしたツールの基本設計は次のようになりました。

  1. ブラウザがファイルをサーバーにアップロードする
  2. サーバー (Linux マシンなど) が ImageMagick や FFmpeg といった処理ソフトでファイルを変換する
  3. サーバーが処理結果をブラウザにダウンロードさせる

この設計には、運営者側のメリットが複数あります。強力なサーバーを用意すれば、ユーザーの PC スペックに関係なく速い処理が提供できる。処理ログが取れるので改善に活かせる。一部のユーザーデータを蓄積して学習させるビジネスも成立する。

しかし、利用者側から見ると、次のようなリスクがあります。

リスク 1: ファイルが第三者の管理下に置かれる

アップロードされたファイルは、運営会社の規約に従って保管されます。多くのサービスは「○時間後に自動削除」と明記していますが、これを検証する手段は利用者にはありません。バックアップがどう扱われるか、社員が閲覧可能かどうかまでは開示されないのが普通です。

リスク 2: 通信経路でのリスク

HTTPS 通信で暗号化されてはいますが、経路上のプロキシ、職場や学校のファイアウォール、ISP (インターネット接続業者) など、様々な中間者がそこにファイルが流れていることを知っています。機密ファイルを扱う場合、これだけでもポリシー違反となる企業が多くあります。

リスク 3: 運営会社の所在地・司法管轄

世界規模のオンラインツールは、多くの場合ヨーロッパや米国の企業が運営しています。そのサーバーがどの国に設置されているかによって、政府からの開示命令に応じる法域が変わります。GDPR (EU) と米国の CLOUD Act では要求されるプライバシー水準が異なり、日本のユーザーにとってはどちらも完全にコントロール不能な外部要因です。

リスク 4: 画像のメタデータに含まれる位置情報

スマートフォンで撮影した写真には、EXIF と呼ばれるメタデータ領域に GPS 位置情報・撮影日時・撮影機種が埋め込まれています。これを意識せずに「画像圧縮サイト」に放り込むと、その情報もセットでアップロードされます。自宅で撮影した家族写真なら、自宅の緯度経度が運営会社に渡っていることになります。


もう一つの選択肢:ブラウザ内完結型ツール

2020 年代に入って、ブラウザの処理能力が飛躍的に向上しました。現在のブラウザは、以下のような高度な処理をサーバーなしで実行できます。

  • 数百 MB の画像のリサイズ・圧縮・形式変換
  • 複数 PDF の結合・分割・圧縮
  • 動画のトリミング・形式変換 (WebAssembly 経由で FFmpeg をブラウザ内実行)
  • QR コードの生成・読み取り
  • 画像からの文字認識 (OCR)

これらは全て、ユーザーのブラウザ内で動作する JavaScript と WebAssemblyによって実現されています。ファイルは一度もあなたのコンピュータから出ていきません。

処理の流れは次のようになります。

  1. ブラウザがファイルを読み込む (メモリ内に展開、サーバーには送信しない)
  2. ブラウザ内の JavaScript がファイルを処理する
  3. 処理結果を直接ユーザーにダウンロードさせる (これもメモリ内完結)

サーバー側では何も起きていません。サイトを配信する Web サーバーは、HTML と JavaScript のコードを一度配信するだけで、ファイルの中身は一切知りません。

ブラウザ内処理のメリット

1. 機密ファイルでも安心して使える 会社の資料、クライアント素材、医療関係書類、契約書など、「外部に送りたくないファイル」でも安心して使えます。

2. 通信容量を消費しない 大きな動画ファイルを変換する時、アップロード・ダウンロードの往復で数百 MB の通信が発生するのが従来型です。ブラウザ内処理ならゼロ。モバイルデータ通信でも躊躇せず使えます。

3. 処理が速い サーバーへの往復がないぶん、ボトルネックがブラウザの処理能力だけになります。小さいファイルなら瞬時、大きなファイルでも従来より体感的に速いケースが多いです。

4. オフラインでも動く Progressive Web App (PWA) として設計されたサイトなら、一度訪問してしまえば次からはオフラインでも動作します。

5. 運営者を信頼する必要がない ブラウザ内で処理される以上、運営者がどんなプライバシーポリシーを書いていても、それに頼る必要がありません。技術的に「送信できない」状態だからです。

ブラウザ内処理のデメリット (正直に)

完璧な方式ではありません。以下の弱点も理解しておいてください。

1. 古いブラウザでは動かない Internet Explorer や、相当古い Android ブラウザでは動作しないことがあります。ただし 2026 年現在、ほとんどのユーザーがモダンブラウザを使っているため、実害は少なくなってきました。

2. 巨大ファイルでメモリ不足になる可能性 スマートフォンで 2GB を超える動画を処理するとメモリ不足で落ちることがあります。PC なら基本的に問題ありません。各ツールで「対応ファイルサイズ」を明記しているサービスを選びましょう。

3. 処理速度がユーザーのマシン依存 サーバー型は最新のハイスペックサーバーで処理するため速度が一定ですが、ブラウザ内処理はユーザーの PC のスペックに依存します。古い PC では少し時間がかかることがあります。


見分け方:あなたが使うツールはどちら型?

使おうとしているオンラインツールが「ブラウザ内完結型」なのか「サーバー送信型」なのか、実は簡単に確認できます

確認方法 1: プライバシーポリシーを読む

以下のようなキーワードがあれば、サーバー送信型の可能性が高いです。

  • 「アップロードされたファイルは○時間後に自動削除されます」
  • 「当社のサーバーで処理を行います」
  • 「ファイルは AWS の暗号化ストレージに保管されます」

一方、以下があればブラウザ内完結型の可能性が高いです。

  • 「ファイルはブラウザ内で処理され、サーバーに送信されません」
  • 「クライアントサイド処理を採用しています」
  • 「お使いのブラウザのみでファイルが処理されます」

確認方法 2: 開発者ツールで確認する (これが決定的)

もっとも確実なのは、ブラウザの開発者ツールを使った確認です。技術者でなくても数分でできます。

手順 (Chrome または Edge の場合)

  1. そのツールのページを開く
  2. キーボードで F12 キーを押す (開発者ツールが開く)
  3. 上部タブの「Network (ネットワーク)」をクリック
  4. 🔴の録画ボタンが赤くなっていることを確認 (ネットワーク通信を記録中)
  5. ページを 1 回リロードして、既存の通信を確認
  6. その状態で、ツールにファイルをドラッグ&ドロップして処理を実行
  7. Network タブで、新しい大きな通信 (ファイルサイズに比例したアップロード) が発生するかを確認

もし処理中に「ファイルサイズ相当のアップロード通信」が発生していればサーバー送信型。アップロードが発生せず、処理がローカルで完結していればブラウザ内完結型です。

画像圧縮で例えると、5MB の画像を圧縮するとき、サーバー送信型なら「Size」列に 5MB 前後のリクエストが記録されます。ブラウザ内完結型では、そうしたリクエストは発生しません。

確認方法 3: オフラインにして試してみる

究極の確認方法として、PC をオフラインにしてから処理を試す方法があります。

  • すでに開いているツールページの状態で、WiFi を切る (またはイーサネットを抜く)
  • その状態でファイルをドロップして処理を実行

オフラインで正常に処理できれば、100% ブラウザ内完結型です。サーバーに送信する設計ならオフラインでは動作しません。


Zerosend の「Zero send」設計

私たちのサイト、Zerosendは、この「ブラウザ内完結型」の設計思想を徹底的に追求しています。サービス名の由来も「Zero send = 何も送信しない」そのものです。

技術的な仕組み

Zerosend の全ツールは以下の設計で実装されています。

  1. ファイル送信コードを一切実装していない: HTML フォームの multipart/form-data 送信、XMLHttpRequest や fetch API によるファイル POST、これら全てのコードがソースコードに存在しません。
  2. Content Security Policy (CSP) による通信制限: 外部との通信先をアクセス解析 (Google Analytics) と広告配信 (AdSense) 以外、技術的にブロックしています。仮にバグで何かを送ろうとしても、ブラウザが拒否します。
  3. 処理ライブラリは全てクライアントサイド: 画像圧縮には browser-image-compression、PDF 処理には pdf-lib、QR コードには qrcode など、全てブラウザ内で動作するライブラリのみを使用しています。

透明性のための開示

私たちは「プライバシー配慮」をマーケティング上の言葉ではなく、技術的事実として運営するために以下を行っています。

  • プライバシーポリシーに技術的根拠を詳細に記載
  • 「このサイトの仕組み」ページで具体的な実装方法を開示
  • 将来的にはソースコードの部分公開も検討

Zerosend で使える主なツール

現在 Zerosend では以下のツールを提供しています。すべてブラウザ内で完結し、ファイルをサーバーに送信しません。


よくある質問

Q. 本当にファイルがアップロードされていないのですか?

A. はい。本記事の「確認方法 2」で説明した開発者ツールによる検証が最も確実です。ファイルをドロップした瞬間のネットワークタブを見ていただければ、大きな通信が発生していないことがご確認いただけます。

Q. なぜ多くのサイトはブラウザ内処理を採用しないのですか?

A. 歴史的な経緯 (古いブラウザでは技術的にできなかった)、運営者側のメリット (ログが取れる、ユーザーデータを蓄積できる)、インフラ移行のコスト、などの理由があります。また、広告表示時間を稼ぐために意図的にサーバー処理を採用しているサービスもあると言われています。

Q. ブラウザ内処理だと広告収益はどうやって得ているのですか?

A. Zerosend も広告収益で運営しています。ただし、広告はユーザーのファイル内容とは無関係な一般的なバナー広告です。ユーザーのファイルを分析してターゲティング広告を出す、といったことは一切行っていません。

Q. 大企業の機密ファイルでも使って良いのですか?

A. ブラウザ内完結型なので技術的には安全ですが、お勤め先の IT ポリシーや情報セキュリティ規定に従ってください。社内のポリシーで「社外サイトの利用そのものが禁止」されているケースもあります。必ず情報システム部門や上長にご確認ください。

Q. スマートフォンでも動きますか?

A. 多くのツールは対応していますが、大きなファイルを扱う場合は PC 推奨です。スマートフォンのブラウザはメモリに制限があるため、大きな動画ファイルなどでは途中で動作が止まる可能性があります。各ツールページに推奨環境を記載しています。

Q. 位置情報 (EXIF) が心配です

A. Zerosend のツールは基本的に EXIF を保持した状態で処理しますが、将来的に「EXIF 削除ツール」を追加予定です。どうしても気になる場合は、処理前に画像エディタで EXIF を削除してからお使いください。


まとめ:一度でも、確認してみてください

もし今あなたが「オンラインツール」を日常的に使っているなら、次に使うときだけでいいので、開発者ツールの Network タブを開いて、ファイルがどう送られているか確認してみてください。

そのうえで、ファイルの性質に応じて使い分けるのが賢い選択です。

  • 気にならない画像 (自分が撮った風景写真など): どのツールでも OK
  • 気になるファイル (社内資料、人物写真、契約書): ブラウザ内完結型のツールを選ぶ

Zerosend は後者のユースケースに特化して設計されています。ツールそのものの機能性も既存サービスに負けないレベルを目指しつつ、「ファイルはあなたのブラウザから出さない」という一点を妥協なく守ります。

アップロード、しません。

これが、私たちの約束です。

画像系

  • 画像圧縮 — JPG・PNG・WebP 対応、最大 50MB まで、バッチ処理対応
  • 画像リサイズ — ピクセル指定・パーセント指定、縦横比維持オプション
  • 画像形式変換 — JPG⇔PNG⇔WebP の全組み合わせに対応
  • 画像編集 — 切り抜き・90°/180°/任意角度の回転・水平/垂直反転
  • HEIC → JPG — iPhone の HEIC 写真をブラウザ内で JPG に変換
  • 画像結合 — 縦結合・横結合・グリッド結合に対応
  • ファビコン生成 — 1 枚の画像から ICO / PNG / apple-touch-icon / site.webmanifest を一括生成

PDF 系

  • PDF 結合 — 複数 PDF をドラッグ&ドロップで並び替えて結合
  • PDF 分割 — ページ範囲指定で 1 ファイルを複数に分割
  • PDF 圧縮 — ページをラスタライズして再構築してサイズを削減
  • 画像 → PDF — 複数画像を 1 つの PDF に変換
  • PDF → 画像 — PDF の各ページを PNG 画像として抽出
  • PDF ページ編集 — ページの削除・並び替え

QR コード系

動画系

音声系

全 21 ツール — 全てブラウザ内完結、ファイルはサーバーに送信されません


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